マイナンバーと新たな総合窓口サービスセミナー

 10月15日に、NPO法人)市民と電子自治体ネットワークが主催する「マイナンバーと新たな総合窓口サービス」セミナーに参加し、船橋市や大田区の取組事例や抱える課題等を拝聴しました。

 詳細な内容、チームURA-CIMAとしての感想や所見については、下記のとおりです。 

 (なお、船橋市や大田区の取組内容や課題等については、あくまでも担当職員の個人的な意見であり、市や区としての正式見解ではないことを申し添えいたします。)   

 

1)基調講演 「番号制度に対応 総合窓口サービス」

 NPO法人)市民と電子自治体ネットワーク代表 行政情報研究所 所長 諸橋氏

 総合窓口サービス、証明書交付サービス(窓口・自動交付機・コンビニ交付)、マイナンバーやマイナポータル導入後の窓口サービスについて、国や先進自治体の取組内容を交えた講演でした。

 マイナンバーやマイナポータルの今後の活用については、「住民票等のコンビニ交付」はもちろん、民間事業者のポイントやマイルと連携した「地域経済応援ポイント」、マイナポータルを活用した「子育てワンストップサービス」が予定されている。また、「マイナンバーカードの旧姓併記(希望者のみ)」「マイナンバーカードの健康保険証化」「海外転出後の電子証明書継続化」等も、実現に向けた検討が進んでいる。とのことでした。     

 

2)「船橋市のコンビニ交付と今後の窓口サービスについて」  

 船橋市では、平成28年はじめから、コンビニ交付サービスを導入。 国や市川市等の事例を見ると、「3枚に1枚はコンビニ交付」というデータもあるが、船橋市では、まだまだコンビニ交付の実績は多くない。コンビニ交付も窓口交付も発行手数料は同額(コンビニ割引無し)であること、まだまだ自動交付機が主流(平成29年度に廃止予定)であることが要因と考えられるが、マイナンバーカード交付時に「マイナンバーカードは大事におうちに保管してください」という趣旨の説明をしているため、「マイナンバーカードは持ち歩くものではない」という印象が付いていることも大きい。なお、船橋市では庁内にもコンビニ交付に対応した「マルチコピー機」を設置している。 

 また、船橋市では、本庁と駅前のFace(総合窓口)と7つ出張所で、窓口業務を運用している。出張所でできる手続きには限りがあることや、やはり本庁に来てしまう方が多いため、本庁・総合窓口・出張所とも、ある程度職員を配置せざる得ず、事務の効率化や職員数の削減がなかなか進まない状況である。他自治体においても、出張所のあり方を再考しているケースもあり、船橋市においても同様の検討は必要な時期だと考える。 

 今後のマイナンバーやマイナポータルのサービス拡大への対応については、マイナポータルによる電子申請とコンビニ交付を連携させ、役所に来なくても申請届出が完結できるように。また、コールセンターやテレビ電話・テレビ会議室等を活用して、総合窓口の拡大等も検討していきたい。とのことでした。    

 

 3)「大田区のマイナンバー対応」

 大田区では、夜間休日窓口として、平日19時まで、土日は9時から17時まで開設している。土日開設は、区民にとっては便利である一方、システムメンテ等の時間が取れないため、調整が大変である。 

 コンビニ交付については、住民票・印鑑証明のみ実施。窓口より50円割引している。税証明は、システム連携費用と発行件数見込み等の費用対効果を考慮し見送った。

 課題としては、本人確認対応が、根拠法令の違い等で、各課において異なるケースが生じていた。ここは庁内でしっかり統一した対応をすることとした。 

 また、戸籍マイナンバー対応についても、導入時期、未システム自治体や改正原戸籍等の非データ戸籍の対応、外字・文字の問題等、検討・解決すべき点は多い。とのことでした。 

 

【セミナーに参加して、URA-CIMAとしての感想・所見】

   国が実施した各自治体へのアンケート調査の中で、総合窓口サービスの導入の効果について、「住民サービスの向上」は高ポイントを得ている一方、「職員の業務時間の削減」は高くない結果となっている。これは、従来業務のフローや手順の見直しをせずに、そのまま総合窓口にしてしまった、また、担当課と総合窓口部門の役割分担の整理が不十分なため、結果的に両窓口での対応となってしまった等の理由が考えられる。窓口を集約するには、それに合わせて効率的な方法・手順への見直しが必要である。

  また、今後マイナンバーやマイナポータルを活用したサービスが検討されているが、このデバイスとなるマイナンバーカードの普及率・配付率が伸びていない現実がある。「カードが先か、サービスが先か」という卵とニワトリの議論もあるが、これだけスマフォが普及していることを考慮すると、電子証明書認証がカードでいいのか?!という検討も必要だと感じた。

 

 浦安市においても、平成28年9月からコンビニ交付サービスを開始した。船橋市同様、自動交付機をどうするかという検討をされているものと思うが、現在多くの市民に配付されている「市民カード(自動交付機用の磁気カード)」が、マイナンバーカードに移行されたとは言えず、自動交付機の廃止により、この人たちが窓口交付となってしまうことが懸念される。自動交付機の耐用年数をにらみつつ、市民カード廃止の広報・周知、円滑なマイナンバーカードへの移行等の検討を進める必要があると考える。

 また、マイナンバーやマイナポータルを活用した行政手続きの拡大に向けた検討も進めていって欲しいものである。

 

  講演後の質疑の中で、「市民や地域の皆さんが、セキュリティや個人情報保護を理解し、マイナンバーは安心なんだ。と、認識してもらえるよう、行政がもっと外に向け、発信・出向き、しっかりと説明していく必要がある」という趣旨の発言があり、ぜひ積極的に取り組んで欲しいと思った。