GISフォーラム「自治体セッション」レポート

自治体セッションでは、先進自治体の事例発表レポートです。発表いただいた内容のキーワード、ポイントを列挙しています。

 

【1 会津若松市「地域との連携・協働によるバスづくり」】

 コンピューター大学である会津大学のキャンパス内に市の情報政策課を移設。

 もともと「お金がないから、自分でやってしまおう!」という文化がある。

 統合型GIS検討チームを庁内に編成(メンバー約15名)

 GISで業務を革新!各課で困っていることGIS検討チームで解決できるようアシストする。

 ・GIS活用の一例 

 地域との連携・協働によるバスづくり

 これまでは「バスに乗らない人が、バスに乗る人のことを想像して」計画を作っていた。経験と勘。

 パスを乗る地元の方とともにパス運営を考える

 ポイント ①利用者を起点として取組みと、②データに基づいた協議・検討

 地域のニーズを知り、身の丈に合ったプラン

 人口データ、乗車者数データ、アンケート等をもとに、地域特性分析をし、その見せ方として、地図を活用。そして、地域の方々とともに議論する。

 データがないと、これまでの経験や勘、思い込みの中で、議論や賛成・反対があったが、データや地図をもとに議論すると、お互いに理解・確認しやすい。

 本数を減らしたが、利用率は上がった。まさにニーズにあった身の丈運行

 

【2 直方市「住基ポイントを活用した業務改善」】

 GIS活用推進委員会、その下部組織のWGにて、GISを推進

 ・住基ポイント活用事例として

 災害要援護者支援業務、選挙投票区割の見直し、自地区割りの見直し、粗大ごみ受付、民生委員の高齢者受持割合等さまざまな業務の支援で活用された。

 ・GISの活用の一例

 都市計画の立地適正計画のアンケート対象者の無作為抽出において、これまでは、住民基本台帳をもとに、ランダムに無作為抽出をしていたが、年齢層や地域に偏りがあった。

 住基ボイント地図をもとに、地区ごとに均等に抽出をしていったところ、地域・年齢層に偏りがなく抽出ができた。住民基本台帳ランダムでの地域非カバー率21%に対し、GIS活用により抽出した場合地域非カバー率4%。結果アンケートの回答状況も、地域・年齢層、万遍なく回答が得られた。

 

【3 五泉市「五泉市におけるGIS普及と活用」】

 ArcGIS導入前に、職員自らが1点ずつポイントを入力 のべ約50,000ポイント

 自分でデータを作るメリットとして、地域の地理的な感覚が養われる。データの質を理解できる。

 人材育成「使わせる」ではなく「使いたい人を支援する」という立場

 ・GISの活用の一例

 クマ対策

 GIS導入前と導入後では、情報連携、情報提供のスピードが格段に向上した。

 データの蓄積から、出没分析やリスク分析も可能となった。

 なんとなくの感覚から、データに基づいた事象の分析へ。

 ・課題

 セキュリティ強靭化により、ネットと業務系が遮断されるため、ライセンス認証や背景図の更新等をどうするか。また、庁内データの活用(住民基本台帳住所データ、家屋や地番図、データ更新も含め)、操作できる職員の育成

 

【4  さいたま市「GISを活用した空間情報の見える化」】

 区画整備事業の見える化

 これまで住民には平面図と縦断図で説明。住民にはわかりづらい。そこで、GISと3Dを活用して住民説明。住民にもわかりやすくなった。その他、浸水想定や人口動態分析等にも、GISを活用

GISは、視覚化・データ分析等のメリットはあるが、操作方法習得・セキュリティ対策・利用促進の環境づくり等に課題がある。

 

【5 浦安市&チームURA-CIMA「GISの新たな活用シーンを探る」】

 政策支援GISという分析系GISが炸裂しない。

 理由は、直接答え出さない分析系システムに慣れていない。分析する課や職員が限らている。そもそも、分析する課には、分析に必要な住民属性データを持っておらず、住記・税・福祉にお願いして、断られているのが現状。住記・税・福祉等の基幹系システムとGISをDB連携させて、簡単なGIS操作で地域分析ができる仕組みを構築した。

 浦安市は、住居表示がほぼ100%終わっているため、住所=XY座標の住所辞書の庁内で整備済みである。

 

 チームURA-CIMAは、職員自主研究グループから派生した市民団体で、GISやオープンデータを活用した「まちづくり」を検討・研究。浦安市・千葉県・国等のオープンデータ・公開データをもとに、地図作りをしたり。地域の方々とマッビングパーティをして、地域の声の地図化に取組んでいる。また、他の市民団体や大学等も連携して、地図作成やデータのGIS化も行っている。

 庁内は情報政策課、地域はURA-CIMAと役割分担・相互連携して、浦安市全体のGIS普及に励んでいる。